民生児童委員の想いをお伝えします。
青梅市民生児童委員
第6地区民児協副会長
青梅市第6地区民児協副会長の加藤博行さんは、定年退職後、生まれ育った青梅市に戻り、老人会・自治会での活動を経て、民生児童委員に委嘱されました。現在も自治会長・民生児童委員の2つの立場から地域を支える加藤さんに、民生児童委員の活動やその魅力について、お話を伺いました。
就職で隣県に出て、定年退職をきっかけに、生まれ育った青梅市に戻ってきました。そうしたら、子どもの頃から私を知っている地元の人に、「博行ちゃんは若い時に青梅にいなくて、地域のためになることをなにもしていない」って言われたんです(笑)
あらら(笑)ずばりと言われましたね。
それで、地元の為になることをしなくちゃだめよってことで、60歳だったのでとりあえず老人会に入り、会計係を担当しました。その後、老人会の副会長を務めると、自治会の役員もお願いされました。「地域のためになにもしていない」という言葉がずっと頭に残っていたので、それも引き受けて、現在は自治会長・自治会連合会の支会長を務めています。
地域での活動のきっかけは、昔なじみの方の一言だったのですね。では、民生児童委員に委嘱されたのは、そういった老人会や自治会でのご活躍がきっかけ、というところでしょうか?
当時親しくしていた隣の地区の自治会長に「加藤さん、やってくれない?」とお願いされて、その時は民生児童委員がどんなことをするのか知らなかったのですが、誰もいないなら、私がやるよと言って、引き受けました。
実際に委嘱を受けて、どうお感じになられましたか?
少し大変だなと感じたのは、青梅市が年に1度行う高齢者の実態調査ですね。でも民生児童委員になる前から老人会で活動していたので、調査対象になる人はほとんど知り合いだったんです。だからそれほど負担にはなりませんでした。
老人会や自治会の活動が長かったこともあり、地域住民と関わることに対する抵抗感や、活動の難しさはあまり感じなかったということでしょうか。
うん、そうそう。ただ、民生児童委員に委嘱されてから、地域の人たちにさらに顔が広がったとは感じていますね。特に高齢者の知り合いが増えました。皆さんほとんどが私より先輩にあたるのですが、生き生きと暮らしておられて、逆に元気をもらっています。
では、民生児童委員の魅力はどんなところだと思いますか?
地域の人から、「加藤さんなら」と頼られることと、信頼されることかな。人に頼りにされるのって、一番嬉しいことだと、私は感じています。
そういうお気持ちは、きっとやりがいにもつながりますよね。地域の方の信頼を得るには、相談を受けた時にどのような向き合い方をしたか、というところがポイントだと思うのですが、加藤さんが住民の方と関わる上で大切にしていることはどんなことですか?
一番大切にしていることは、世間話でも愚痴でもなんでも、よーく話を聞くこと。あとは、挨拶ですね。「おはよう」とか「最近どう?」とか、そういう何気ない一言をこちらから掛けることが地域の人たちと仲良くなり、信頼を得るポイントだと思います。
声掛けを続けることで、「いつも挨拶をしてくれる人、気にかけてくれる人」という認識を持ってもらうことができますよね。何かあった時、地域の人に自分の顔を思い浮かべてもらえるのは、そういう関わりがあってこそだと感じます。
そうですね。今は、2期目に入って私が民生児童委員だということも認識してもらえて、地域に溶け込むことができるようになったと感じていますね。
現在、民生児童委員活動と並行して自治会長も務めていらっしゃいますが、今後の目標などはありますか?
自治会と連携した民児協活動ができればと思っています。特に災害時の対応は、どうしても民生児童委員だけじゃ難しい面があるんです。そんなときに自治会とか、消防団とか、地域全体で協働して災害時要援護者(※)を支えることができる仕組みづくりをしなくちゃ、と。それが目標ですね。
ご自身が自治会長をお務めだからこそ、できることですね。
私が自治会長と民生児童委員を引退する前に、民児協と自治会組織がタイアップして活動できる環境を構築したいと思っています。そして、私が始めたことをそこで終わりにするんじゃなくて、ずっと運用していけるように体制を整えること。それが、私がやるべきことだと感じています。
ここで加藤さんが作り上げたものは、絶対に後任の皆さんのためになると思います。
(※)災害時要援護者:必要な情報を迅速かつ的確に把握し、災害から自らを守るために安全な場所に避難するなどの災害時の一連の行動をとるのに支援を要する人々をいい、一般的に高齢者、障がい者、外国人、乳幼児、妊産婦などがあげられる。
では最後に、委嘱を迷っている方や、新任の委員に向けてメッセージなどお願いします。
伝えたいのは、人生の中で一度は、人のためになることをやってみたら、ということですね。民生児童委員ってボランティアで、地域の人たちのためにやるわけでしょ、だからね、気持ちがいいのよ、やってみると。人のためになることで、やりがいや充実感も出てきますからね。
きっと仕事で得られる充実感とはまた違いますよね。
そうそう、全然違うよ!民生児童委員として頼りにされて、「加藤さんありがとうね」と言われる。それがね、私が民生児童委員になってよかったと思う一番のことですね。
いきいきと輝く場が職場から地域に変わるということでしょうか。そういったことでいうと、今は働きながら民生児童委員に委嘱される方も多くいらっしゃいます。中には、やはり活動にハードルを感じてしまう方もいると思うのですが、加藤さんはどう思われますか?
仕事を持っている人は確かに大変だと思います。だからなんていうんだろう、深く考えすぎないでってことかな。あまり構えず、とりあえずやってみて、できる限りで大丈夫だと思います。
委員活動と仕事と板挟みにならないように、自分ができる範囲で活動していく、ということでしょうか。
うん、無理のない範囲で。地域のためにすることは、結局自分のためになりますからね。そのためにやってみるというのでも、私はいいと思いますよ。
生まれ育った地域のために、住民のために、そのようなお気持ちをもって委員活動をされているのですね。とても素敵だと感じました。加藤さん、本日は貴重なお話をありがとうございました!
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