民生児童委員インタビュー

民生児童委員の想いをお伝えします。

第9回生まれ育った地域への恩返し

中島 千恵子

武蔵野市民生委員・児童委員

先輩委員の優しい声掛け

ある日、市役所の方が「ピンポーン」とインターホンを鳴らして訪ねて来られ「民生児童委員への推薦があったので、お願いできませんか」との話しがありました。推薦された経緯は詳しくは分からないのですが、もしかしたら小学校のPTA会長をしていたので、それがきっかけかもしれません。防災関係のネットワークに参加するなどして、地域の様々な役員の方と知り合う機会があったので、そのご縁ではないかと思います。

委嘱当時は、子どもが小・中学生だったので、まだ子育てに忙しい時期でした。でも周りの委員の方々が「お子さん小さいんだから、無理しなくていいよ」と優しい言葉を掛けてくださり、とてもありがたかったです。気持ちが楽になり、まずは構えず「分からないけれどやってみよう」という姿勢でスタートさせていただきました。

現在は時間もでき、2期目に入る際にも続けることに迷いはありませんでした。市全体でも継続する委員がとても多く、定年の方以外では退任が少ないこともあり、それが自然な流れのように感じました。

育んでくれた地域への恩返し

私は、この地域で生まれ育ったので、昔から近所の方とは知り合いなんです。幼い頃にお世話になったきり、しばらく疎遠だった方に、高齢者調査でお会いすることがあり、その際は「あらー、大きくなったわね!」と言われて笑い合い、会話がはずみました。

民生児童委員を引き受けたのも、生まれ育った地域に恩返しができるならば、お役に立ちたいと思ったためです。実際に活動してみると、見守り訪問で伺った際に、お会いした方が笑顔になってくださることが嬉しいですし、「また来ますね」と声を掛けた際に「待っているから」と言われると、自然と次もぜひ行かなきゃという気持ちになり、日々の活動の中にやりがいを感じています。

新しい生活様式下での活動

昨年(令和2年)春に初めて緊急事態宣言が出た際には、コロナ関連の情報が非常に不足しており、市役所からは「積極的な個別訪問はしなくて良い」と言われました。先行きが見えない中、状況が落ち着き次第、顔を出そうと様子を伺っていましたが、一向に落ち着きませんでしたので、宣言が明けるとすぐに訪ねてインターホンを押しました。

当時、担当地区が近い委員同士では、LINEも活用して情報交換をしていました。コロナの影響で周辺施設の営業時間が変わったなど、些細なことも最新情報を共有することがあり、それが住民の方々との会話に役立ちました。

現在も、市の安心安全に関するニュースレターを投函しながら、インターホン越しに声を掛けています。すると2階の窓から顔を出してくださり、手を振ってくださることもあります。距離をとってのコミュニケーションという状況ですが、訪問を喜んで頂けることは嬉しいですし、励みにもなりますね。

新任の委員の方へ

コロナ禍となって1年が過ぎ、武蔵野市民児協でも大人数の会議を避け、分散形式で定例会を開催するなどの対応をしています。そのため、なかなか多くの委員に会えず、特に新任委員の方々にとっては活動全体が見えにくいだろうと心配に思っています。

私自身、委嘱されたのは一斉改選(12月)ではなく、欠員補充期の4月でしたので、役所で最初の説明を受けた時点では、同期委員3人のみ。なかなか民児協全体のイメージがつかずにいました。その後定例会に出て初めて、多くの委員の方々にお会いでき、報告事項を聞くことで、だんだんと理解が深まり慣れていったように思います。

また、活動してみて分かることも多かったです。私は委嘱された2カ月後の6月に「ひとり暮らし高齢者調査」があったのですが、前任の方に教えてもらって初めて、覚えることや、やるべきことが見えてきたことを思い出します。今期は、これまでのようにはできませんので、分からない部分は近隣地区の方や、同じ部会の方と、相談しながらやっていけると良いと思います。

地域での居場所づくり活動

地域との関わりとしては、民生児童委員として居場所の運営に加わっています。もともとご自宅の一部を地域のために提供したいと声を挙げてくださった方がいて、地域包括支援センター経由で私に協力依頼があり、高齢者向けの居場所として一緒に立ち上げました。

昨年3月以降は中止していたのですが、7月から再開しました。参加を呼び掛けた際には、足が弱くなり来られなくなった方もいらっしゃると分かり、もう少し早くできていればとの思いにもかられましたが、当日は4~5人が集まり「やっと人に会えた」「久しぶりに誰かと話します」と喜んでいただきました。今後も状況を見ながら開催し、コロナによるフレイルを防ぐ一助になればと思います。

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居場所づくり活動での様子(クリスマス会)


多世代間交流ができる地域に

今後、取り組みたいこととしては、ずっと“多世代間の交流”を実現したいと思っています。自分自身が子育て中に感じていたことなのですが、多世代間の交流の場、特に中高生が参加できる機会が少ないと思います。以前、防災の行事の運営で、学校からの協力が得られ高校生にボランティアとして参加してもらったことがあるのですが、力もあるし、よく動いてくれて頼りになる存在でした。コロナ禍でも子どもたちはオンライン授業などを経験し、新しいツールを使いこなすのも早いです。そこで地域の方々と中高生を結び付けられることができれば、さまざまな形で地域の課題に対する戦力になってくれるように感じています。

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