民生児童委員インタビュー

民生児童委員の想いをお伝えします。

第17回なんでも飛び込んでやってみる

寺田 恵子

葛飾区青戸地区民生委員児童委員協議会副会長

委嘱のきっかけ

20年ほど前に町会に入り、その時の町会長が葛飾区民児協代表会長の小林会長でした。その後私は女性部として役員を引き受け、小林会長と一緒に活動するようになり、町会に入って6年ほど経ったころに小林会長から民生児童委員をやってみないかと誘われたのがきっかけです。やっぱり最初は、民生児童委員は大変だと聞いていましたし、仕事もしていたので、即答はできませんでした。少し時間をいただいて、家族に相談し考えていくうちに私自身も誰かに頼られたりすることが好きなので「何か私にお手伝いできることがあるのなら」と、とりあえずやってみよう!という気持ちになりお受けしました。

民生児童委員活動と介護の同時スタート

民生児童委員活動を引き受けることを決めた次の年に、義母が脳梗塞で倒れてしまい、民生児童委員活動とほぼ同時に介護がスタートしました。仕事や町会活動もあったため、優先順位を決めてスケジュール調整を図りました。まず、仕事については6時間勤務から4時間勤務にしてもらえるよう時短勤務をお願いし、ケアマネジャーの訪問日は避けて勤務日の調整も行いました。しかし、介護が重くなるにつれて、だんだん調整が難しくなってきました。ちょうどその時に、お寺の住職でもある小林会長から「週3日午前中だけ私のお寺の手伝いをしないか」とお声掛けいただきました。前職では往復30分かかっていた通勤時間も、5分に短縮されることもあって、介護との両立を考えた結果、働かせていただくことになりました。次に民生児童委員活動と町会活動については介護、仕事の合間を見て、見守り活動や、地域イベントの準備等を行いました。イベントの準備では介護のため途中で何度も抜け出すこともありましたが、介護を優先していいからねとか、無理しないでねとお声掛けいただき、周りのみなさんからの温かい気遣いとサポートがあって、無理なく、介護と両立しながら活動を続けることができました。

介護は先が見えないですし、だんだん重くなっていくものなので、精神的そして肉体的にも疲れてしまいますが、民生児童委員活動や町会活動があったからこそ、前向きになれました。また、誰かに相談したり、公的なサービスを利用したりと、自分ひとりで抱え込まないで「誰かに頼ってもいいんだ」ということを学べたことは、民生児童委員活動にも活かされているように思います。

②話している様子.jpeg

いつも自然体で

民生児童委員としてではなく、近所に住む人として自然体で関わることを大切にしています。地域の何人かは町会の敬老会活動を通して顔見知りでしたが、120人以上見守りするとなると、訪問しても、委嘱したてのころは「どこのどちら様ですか」と門前払いされることが多々ありました。それでも、訪問を重ねることで、自分のことを話してくれるようになったり、私のことを気遣う言葉を掛けてくださったりと、そういうことが励みになっています。また、自分が見守りしている方に町で声を掛けられることも嬉しいです。元気な方からも「ゆくゆくはお世話になりたいからお願いね」と頼まれたりと、そのような言葉は民生児童委員にならなければ、なかなか聞けない言葉です。町で自分を知る人が多くなって、声を掛けてくれ、どんどん自分の顔が広がっていく。それが、民生児童委員の魅力の1つだと思います。私自身、家からスーパーに着くまでに何人の方に声を掛けてもらえるだろうといつもわくわくしています。

輪踊りで地域とつながる

私が入っている長寿会のクラブの1つに『輪踊りの会』があります。私も毎週練習をして大会に出たり、葛飾区で行われる盆まつりでも踊っています。お祭りの場ですと地域のみなさんを巻き込んで一緒に踊ることができるので、地域とのつながりを感じられます。

長寿会にはそのほかに、グラウンドゴルフや輪投げ、カラオケもあります。最近はグラウンドゴルフに誘われ、やったことはなかったのですが、ここでも「やってみよう」という気持ちで飛び込んでいきました。

③輪踊り.jpeg

これから民生児童委員になる方へ

実際に民生児童委員にならないかと誘って、迷われた方がいました。その方はずっと正社員で働いていた方で、委員になろうと踏ん切りがついたきっかけは、お子さんの「お母さんはこれまで仕事をしてきて、地域との関わりがなかったから、ちょっとやってみてもいいんじゃない?」という言葉だったそうです。実際に民生児童委員になったその方は「長く同じ場所に住んでいて、これまで家と仕事場の往復だけだったけど、ここに誰が住んでいて、ここにはこんな人がいるんだと地域のことが分かってよかった」と言っていました。

仕事をしていたり、私のように介護があったりで、誘われても迷う方はたくさんいらっしゃると思います。私もどんな活動をするのだろうと初めは何もわからないまま飛び込んでいきました。ですが実際に引き受けてみて、地域のみなさんから感謝の言葉をいただいたり、町で頼られる存在になったりと、そんな魅力を感じてこれたからこそ続けることができました。ぜひまずは、やってみようという気持ちで飛び込んできてもらえればと思います。

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