民生児童委員インタビュー

民生児童委員の想いをお伝えします。

第3回会社員として積み上げた経験とノウハウを活かして

鈴木 康紀

東京都民生児童委員連合会常任協議員
昭島市民生児童委員協議会会長

突然の訪問がきっかけ

平成22年に前任の民生児童委員さん、民児協事務局、副市長が訪ねてこられ、声をかけていただいたのをきっかけに委嘱を受けることになりました。当時はまだ、会社員として働いていたため、最初はお断りしようかと思いましたが、私自身が昭島市で生まれ育ち、父が以前に地域の役員を担っていたため「父の顔をつぶすわけにもいかない」と思い、お話を受けることにしたのです。

母も自治会の婦人部や大正琴などをやっていたので地域とのつながりがあり、また、喜寿や米寿の際には、敬老祝金の配付で前任の委員さんが我が家を訪問されていたので、民生児童委員の存在は知っていました。でも、当時のイメージは漠然としたものでしたね。

会長として会社員時代の経験が活きた

委嘱を受けて3年目に、所属する単位民児協の前任副会長の退任により副会長になると、2期目には会長に、3期目には前任者からの推挙もあって昭島市民児協の会長を担うこととなりました。委員としての経験が短い中で役員となるので戸惑いもありましたが、経験豊かな仲間の委員さん方に相談しながら物事を進めることを心がけました。

会社員時代は鉄道業界で働いていました。私鉄の技術職として勤務し、車両の検査や修理を担う検車区というところの責任者などを担い、7、80人の部下のまとめ役として奔走していました。

民児協という組織は物事を進めるための協議体ですよね。たまたま、私のように会長や副会長という役職に就くことはありますが、基本的には全委員が同じ立場です。そのため、各委員の向かうべき方向を一つにまとめていく上では、自分自身の意思は持ちつつも各委員の意見を聞きながら進めていくということは常に意識しています。たとえば新任委員には、訪問をする際のポイントなどを皆で出し合ってアドバイスしたり、定例会でケース検討の時間を設けて、新任委員の事例について活発な意見交換を行ったりしています。こういった考え方やノウハウは、会社員時代に身に着けた経験が自然と活かされているのかなと思います。

また、民生児童委員は高齢者の見守りをするイメージが強いかもしれませんが、子どもや障がいのある方をいかに知ることができるかも大切です。例えば、小学校の担任の先生から、学校を休みがちであったり、同じ服を毎日着ていたり、学校には通っているけれどもお母さんが布団の中から起きてこられないといった情報を聞いた際は、関係機関に速やかに伝えることで子育て支援につながりますからね。

関係機関が連携して地域福祉を進めるために、昭島市には地域福祉コーディネーターが設置されていて、市内3つの単位民児協の定例会に参加してもらっています。そうすれば、民生児童委員を通じてダイレクトに情報が入るので、スピーディーに支援へつなげることができるからです。

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涙を浮かべて「ありがとう」

今年のできごとですが、こんな経験をしました。

高齢者の実態調査で何軒もの世帯を訪問した中に、初夏の気持ちの良い天気の日だというのに、カーテンを閉め切っているお宅がありました。インターフォンを押しても応答はありませんでしたが、洗濯物が干してあり電力メーターが回っていたのです。ご在宅かなと思い再びインターフォンを押してドアをノックすると「どなたですか」と小さな声で応答がありました。

様子をお聞きすると、息子さんがいらっしゃるものの疎遠となっており、独居をされていることなどが分かりましたが、何となく気がかりであったため、それからはひと月に1回は訪問するようにしました。預貯金を切り崩した生活をされており、節約のためか外出をせず窓も閉め切ったまま。暖房は嫌いとおっしゃり冬は靴下を3枚重ねて履くなど、厚着をして寒さをしのいで暮らしていらっしゃいました。

市役所に生活費の相談に行くよう話したり「体に悪いから、外に出ましょう」と訪問するたびにすすめてみたりと関わりを続けたところ、生活保護を受給されるようになり、ある日、その方と街でばったり出くわしました。そのときに「散歩をするようになった」こと、「生活が安定したので、歯医者にも行けるようになった」ことを知らせてくださり、涙を浮かべて「ありがとう」という感謝の言葉をいただきました。「民生児童委員活動を続けてきて、本当によかった」。このことは忘れられない、うれしいできごとでしたね。

昭島に生まれ育った人間として

民生児童委員活動を担っていく中では、とくに「地域の様子を知ること」が大切であると思っています。日々、自転車で気になるお宅をまわり、行政の担当部署や社会福祉協議会、地域包括支援センターなどの関係機関にも立ち寄り、お互いの困りごとを聞いたり情報交換をするなどしています。

委嘱を受けた当初は、福祉に関する専門的な内容など分からないこともあり、戸惑いもありましたよ。でも、私はこの町に生まれ育った人間ですからね。例えば、子どもや孫も3代続けて同じ小学校に通いましたので、幸い地域にはお互いに良く知る旧知の間柄の人が多くいました。

地域をまわって人の話を聞くことは、その地を知る人間ならば、成りたての民生児童委員にもできるのではないかなと思います。専門的なことなど分からないところは、仲間である先輩委員や関係機関に聞けばよいのです。だから私は「まわってなんぼ」の精神で活動しています。

そのように日々を過ごしているため、家でゆっくり過ごす、というわけにはほとんどいきません。それでも、妻には活動に対して理解をしてもらっており、本当に感謝しています。事務局をはじめ関係機関とは密に情報交換をしつつ、私自身も皆さんに助けられながら、活動を続けることができているのです。

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