民生児童委員インタビュー

民生児童委員の想いをお伝えします。

第11回地域での仕事や暮らしの延長に

小野澤 哲男

北区民生委員・児童委員
西ヶ原地区民生委員・児童委員協議会会長

委嘱のきっかけ~町会の活動から~

地域で3代続く米屋をしています。商店街からは少し外れたところに店舗があり、配達に力を入れています。学校や事業所からの注文も受けますが、個人でも2kgから注文できるため、ひとり暮らしのお宅へは月一回くらいの頻度でお届けしています。
配達時は「そこに置いておいてね」と言われ挨拶のみで終わる方もいる一方で、おしゃべりを楽しみにされているお客さんもいて、話し込むことも。それぞれの方に合った距離感で、長年のお付き合いが続いています。実は先代である父も民生児童委員をしていて、相談のある方が店舗に見え話をしていることもありました。

委嘱のタイミングは、父が任期満了で退任となった際に担当地区を引き継ぐ形でしたが、民児協役員の方から私に委員のお誘いがあった背景としては、町会の仕事に携わってきたことが一番大きいのではないかと思っています。地域で仕事をしていることもあり、周りの先輩方が皆さん、町会や消防団、PTAの役をしていて、その背中を見てきました。だから何か役割を頼まれたら、引き受けるのが自然な感覚でした。
また、地域で自分のことを見てきた方が誘ってくれたということは、この自分でもできるということなのではないか、とも考えました。声を掛けてくださった方を信じてお引き受けし、今に至ります。

関わった地域の行事~盆踊りを再び~

1期目の時に関わった行事で思い出深いのが「盆踊り」です。担当地区の小学校でPTA会長をしていたこともあり、地域と学校がどのようにつながると良いか考える中で、自治会では実施できなくなっていた「盆踊り」を5自治会合同で、小学校校庭で復活させてはどうかと提案しました。
「盆踊り」は子どもからお年寄りまで地域のみんなが参加できる行事で、開催すると地域の人にとても喜んでもらいました。当日は学校の近くにある高齢者あんしんセンター(地域包括支援センター)にも声を掛け、利用者の方も参加されました。コロナ前までの3年間は毎年、実施することができましたが、この2年は休止しています。それでも状況が落ち着けば開催できるよう、今年の準備を進めています。

認知症の男性に寄り添って

これまでの支援活動の中で思い出されるのが、認知症が進んだひとり暮らしの男性に寄り添ったことです。支払いが滞って電気が止められていて、急いで電力会社へ連絡をとったり、一緒に支払いに行くのに付き添ったりしました。また判断の衰えが心配されたため高齢者あんしんセンターへも連絡し、後見人の相談をするなど対応しました。
数カ月後に、男性は体調を崩して救急車で運ばれたそうで、私が見守っていることを知っていた近所の方が連絡をくれました。それから入院され施設に入られました。地域の活動にはさまざまなものがありますが、民生児童委員活動は相手の方の命にも関わることがあるので、その点が他の活動とは違うと改めて感じ、身が引き締まる気持ちでした。

2期目および今後の活動について

2期目は新型コロナウイルス感染症の影響で、まるで1期目とは別の活動かのように感じ、戸惑った2年間でした。民児協の定例会等の開催方法も変わり、高齢者宅への定期訪問も電話で行うことが増えました。見守りの際に、高齢者の方がデイサービスに行けなくなったと残念がっていたり、前よりも元気がなくなったりされていて、心配になることもありました。そうした中でも手紙を書いて投函するなど、できることを工夫して活動を続けました。
そうして一斉改選まで1年となった昨年末、前民児協会長が急にお辞めになることとなり、思いがけず民児協会長を引き受けることになりました。ベテランの委員の方々の多くが退任間近だったため、若手から選ばれました。今は次の12月の一斉改選に向け候補者へお声掛けしていて、概要を説明するとともに「一緒にやりましょう」と話しています。今期は私が民児協内で一番年下でしたが、来期以降はもっと若い方が増えるのではないかと考えています。

民生児童委員活動は、基本的には人と人との関係づくりだと考えています。相談の入り口役としての、温かいコミュニケーションが大切だと思います。そして新しく委員になる方にも、助け合いながら活動しましょうと声を掛けたいです。

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