民生児童委員インタビュー

民生児童委員の想いをお伝えします。

第10回できることを積み重ねて

大橋 寿恵

(「恵」は旧字体)

練馬区主任児童委員

委嘱のきっかけ~学校を起点とした子どもたちへの関わりから~

10年以上前に、子どもの小学校のPTA会長を2年務めたことがあります。その際、たまたま周年行事の運営があった関係で、地域の民生児童委員の方と知り合いになり、そのご縁から主任児童委員にお声掛けいただくようになりました。子どもがまだ中高生の頃は難しかったのですが、大学生になったのを機会にお引き受けすることとしました。

実は、以前より小学校の放課後の居場所づくりに立ち上げから関わっていたので、継続的に子どもたちを見守ってきた経緯があります。そこでは、学校での“子どもの行動”に注目することが多かったのですが、主任児童委員として要保護児童を見守ることになってからは、“家庭環境”という視点が加わりました。現在も居場所づくりと委員活動を両立しており、状況をより複合的に見られるようになったと感じています。

主任児童委員を務める方々は皆さん、子どもをキーワードとするさまざまな活動に携わっていますよね。子どもに関わる仕事をしている方も多いように思います。そのため、思いがけず他の活動でお世話になった懐かしい方に再会することがあり、活動に役立つ情報を教えてもらうこともあるなど助かっています。

活動スタート~分かることとできることを見極めて~

一期目は分からないことだらけで、会議でも座って聞いているばかりでした。ちょうど同地区の民児協のもう一人の主任児童委員も同時期委嘱でしたので、「初めまして!」とあいさつをしてからというもの、互いに慣れない活動と格闘しつつ情報を共有しました。同じ目線で「分かること」「分からないこと」を確かめながら活動を進められたことは心強かったです。不明点は先輩委員や前任の委員、関係機関に確認するなどして、支えられながら取り組んできました。

普段は基本的に、学校や子どもを中心として動くことがほとんどですので、多い日は複数回、学校に出向くことがあります。見守りについては、当地区では主任児童委員の場合は間接的な関わりが主で、生活の様子は周囲からの確認に留めています。それでも毎年春には、連絡先が記載された委員紹介リーフレットを全幼稚園・保育園・小学校・中学校に配布しているため、受け取った方からお電話をもらうこともあります。当初は、そうして直接やりとりする場合の関わり方や、距離感が課題でした。あまり踏み込みすぎると迷惑に感じられるでしょうし、適度な具合を推し量るのが難しかったです。ケースバイケースですし正解はありませんが、二期目となった現在は、自分のできることと折り合いをつけながら、必要な支援の形を考え活動しています。

やりがいを感じるのは、担当するご家庭の状況がひと段落し、「見守り終了」の連絡をもらうときです。必ずしもその後の関わりが全くなくなるとは限らず、再び見守ることになる場合もあるので通過点ではありますが、良かったと思う瞬間です。主任児童委員は0~18歳を対象としているので、小学校6年間を中心としながら長く子どもたちと接します。同じ地域に住む者として、久しぶりに見かけることもあるので、大きく成長した姿を確認できた際には、ただそのことに、うれしさを感じます。

今後の活動~できることを積み重ねて~

現在二期目ではありますが、今期より区の主任児童委員代表を務めることになり、各種会議への出席に加えて練馬区主任児童委員全体会の主催事業にも携わるようになりました。コロナ禍で施設見学ができないことは大変残念ですが、今期これまでに3回の講演会を実施し、里親制度や子ども家庭支援センター、学校教育支援センターの取り組みや役割について伺う機会を持ちました。今後も任期期間中に企画・実施予定です。例年より実施回数を減らしてはいますが、できるだけ勉強になる内容を仲間と共有できるように考えて開催しています。

主任児童委員として子どもに寄り添う日々には、さまざまな葛藤がありました。何が幸せかという価値観は人により捉え方が千差万別ですし、子どもの視点は大人とは違うだろうとも思います。思うことは本当にいろいろあるのですが、とにかく「何ができるか」を考えるようにして、見守っています。

「できるだけ」そして「できること」を一つずつ、無理せずに、気負い過ぎずに。自分一人ではないので、できないことは皆さんに助けていただきながら、これからも進めていければと思います。

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