民生児童委員の想いをお伝えします。
日の出町民生児童委員
日の出町民生委員・児童委員協議会監事
自治会で長く活動していた経験から、自治会と民生児童委員とが協力し合って地域を支えることは、とても大切なことだと感じていました。そのため自治会長を退任して数年が経った頃、民生児童委員にと声を掛けられた際には、迷わずお引き受けしました。
日の出町民生児童委員協議会(以下、民児協)全体としては女性委員の割合が多いと聞いていましたが、私が委嘱された年は同期の半数が男性でした。意見交換もしやすく、民児協会長とも親しく交流ができ、思ったよりも早く溶け込めました。
訪問・見守り活動では、自治会や地域の方々と協力して取り組むようにしています。例えば、ひとり暮らしの女性宅を訪問する際には、自治会の福祉協力員の女性に協力いただき、複数で伺っています。
また社会福祉協議会が進めている小地域福祉活動の一環として、自治会中心に高齢者向けのサロンが開催されていますので、私も参加して高齢者の方々とコミュニケーションを取っています。内容はフラワーアレンジメントや輪投げ遊びなど楽しいもので、私が落語を披露して喜んでいただいたこともありました。
写真(地域のサロンで高齢者と交流)
見守り対象の方と直接お話しすることも大切ですが、地域と連携することも大きなポイントだと感じています。
例えば体調のことや、日常的に外出できているかどうかなど、直接お聞きしても答えにくい場合がありますよね。私は普段から周辺の店舗や近隣の方々にあいさつしがてら、それとなく対象者の方の様子を尋ね、お変わりないかと気に掛けるようにしています。そんな静かな見守りが心地よいのではないかと思うのです。
また、ご家族の方との信頼関係も大切です。とある認知症の高齢女性と娘さんの二人暮らし家庭を見守っていた頃、女性と周辺住民とのやり取りで話の食い違いが起き、双方から相談を受けました。私は娘さんと個別に連絡を取ることで、女性の主張を受け止めつつ、住民の方にも理解していただけるよう調整を図りました。
ひとり暮らしの方は多いのですが、あくまで”暮らし方”がお一人なのであって、ご親族がいらっしゃることがあります。日の出町では、多摩地域等お近くにお住まいの場合が少なくないため、必要に応じ連絡を取りながら見守っています。
今期はコロナ禍で、かつて経験の無いような3年間でした。行事が中止となるなどして1期目の方にとっては活動への理解を深めにくい状況があったと思います。
そうした中、日の出町民児協では、毎月の定例会が終わった後に部会を開催しており、部会ごとに意見交換や情報交換を行うのですが、その際に必ず事例を報告してもらい「事例研究」をしています。
例えば、見守り対象者と話した際、話に違和感があったとの報告がありました。詳細を聞くうちに、先輩委員が「それは認知症の疑いがあるのではないか」と指摘し、対応について一緒に話し合いました。また夜に明かりとテレビがついているのに、呼んでも反応が無く、2階の窓が開いたままの家庭があったそうで、悩んだ末にパトカーや救急車を呼んだといった報告もありました。
活動の中で直面するケースは多岐にわたりますので、こうした体験談から学ぶことは多く、毎回とても勉強になります。経験の少ない新任委員にとっても役に立ちます。おかげさまで今期(令和元~4年)新しく委員になった方々は全員が、2期目も継続して活動してくれるようです。
委嘱を受けたということは、”地域から信頼されている”証ではないでしょうか。それを感じながら取り組んでいただければと思います。自分一人では限界がありますので、地域包括支援センターや行政窓口とよく連絡を取り合うようにしておくと安心です。
地域で暮らしていく上で、何か地域のためにできることがあるのならば貢献しようという気持ちは、大切なことですよね。「情けは人のためならず」と言いますが、民生児童委員活動での様々な経験は糧となり、巡り巡って自分へ届くと実感しています。
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